これは世に出すべきなのですか?

地図 (新潮文庫)

地図 (新潮文庫)

初期短編集ですけど、どうなのだろう?出したらいけないというか、本来出すべきではないと思われる心の裏側の澱んだり黒かったりセコかったりする部分が丸出しで書いてあって「きゃあ!」と叫びそうになった。こういう部分を目に見える文章という形で世に出されると、そういう気持ちを持っていて、常時計算したり裏読んだりして生きてきた私なんかは「頼むからバラさないで」とか、自分のことのように恥ずかしくてどうしようもない気持ちになったりとかするのだ。
文体は何故かカタカナが多用されていて、夢野久作のような印象を受けた。スイスイ読めるけど、違う意味で一気に読めない本。