被写体だけ知ってたんだな。

球体写真二元論「細江英公の世界」@尼崎市総合文化センター 美術ホール

「おとこと女」「薔薇刑」「鎌鼬」「妖精物語」「浮世絵うつし」「胡蝶の夢」等々、テーマに沿って展示。
っつーか、土方巽大野一雄なんてこの人が撮った写真でしか知らないじゃん、私、みたいな気持ち。被写体に夢中になれたのは、その写真がげっつい魅力的だったからであって、言われてみれば「撮影:細江英公」って書いてあったかもしれないなあ、という程度にしかこの人を知らなかった自分を恥じる。被写体を写した人がいるから、私みたいな末端にまで情報伝達されているのに。
まあ、一言で言うと「狂ったオヤジ」だったわけですが、白と黒のコントラストの美しさや様々な現像の技法を用いた写真に魅了されっぱなしであった。展示の最後の方に誰かが撮ったスナップ的な写真があって、澁澤龍彦種村季弘とかと一緒に細江氏も写っている総勢10名くらいのその写真は「変態オヤジ達のオンパレード!奇人さーん大集合!」みたいで面白かった。パンフレットは100円だったのですが、2,000円くらいの普通の絵画展状のものが欲しかったのになあ、と思った。
75歳にして、超前衛。見習いたいけど、どこから手をつけていいかわからない。